歩道半分占拠 家主逮捕 異例の通行妨害容疑
(読売)
行田署は10日、歩道に廃材やゴミを大量に放置し、交通を妨げたとして道交法違反(禁止行為)の疑いで行田市谷郷、自転車販売店経営関根博容疑者(79)を逮捕した。歩道の半分を埋め尽くしたゴミは約2・25トンにのぼる。行政や警察の指導などを無視して、廃棄物などをため続けた理由は「もったいない」。
行田署の発表などによると、関根容疑者は、十数年前から、リヤカーで中古自転車などを自宅兼店舗に運び込んでいた。ゴミは約9・4メートルにわたって、歩道(幅約2・2メートル)の半分を占拠。高さは約2メートルに達していた。ゴミは歩道だけではなく、家の中にもあふれているという。
調べに対し、関根容疑者は「捨てられた自転車がもったいなかった。処分するのももったいなかった」と供述。「周りの人に迷惑をかけて申し訳なかった」とも話している。
行田市環境課や同署幹部によると、1995年ごろから近隣住民の苦情が寄せられ始めた。これを受けて、市は「かなりの回数」(担当者)、きれいにするよう求めた。それでも一向に撤去されないため、警察と市、県行田県土整備事務所の職員が、関根容疑者の承諾を得て、計3回にわたりゴミを撤去。同署は2002年と今年1月、道交法違反容疑で交通切符を交付、関根容疑者には罰金1万円が科せられた。
その後、再びゴミがたまったため、行田署は悪質だと判断し、異例の道交法違反容疑で強制捜査に踏み切った。県警生活環境2課によると、“ゴミ屋敷”は個人の家のため、廃棄物処理法での取り締まりは難しい。行田署幹部は「まだ使える自転車を『ゴミ』という認識でくくれるかは疑問。交通を邪魔する『放置物件』ととらえて道交法を適用した」と説明する。
関根容疑者逮捕を受け、市や県、同署の職員ら約20人が10日午後3時40分からゴミ撤去作業を開始した。炊飯器の中から生きたザリガニが発見されるなど、付近には悪臭が漂った。同署によると、撤去費用は関根容疑者に請求するという。
県道を挟んだ向かい側で化粧品店を営む今泉一昭さん(77)は「ゴミを撤去しても、繰り返し散乱させて全く反省してない。とても腹立たしかった」と憤りをあらわにした。近所の自営業男性(62)は「ゴミをよけて車道を走る自転車が多く、危ないと思った」と話している。



