北朝鮮:金総書記重病説 根拠乏しく情報交錯
(毎日)
北朝鮮の最高指導者、金正日(キムジョンイル)総書記(66)の「重病説」が世界を揺るがしている。韓国青瓦台は10日、「総書記は脳血管疾患で倒れた」と発表。しかし北朝鮮当局者は健康不安説を完全否定している。絶対的な権力を持つ金総書記の重病が事実なら、核問題などにも大きな影響を与えかねないだけに、各国は情報確認を急いでいる。
総書記重病説の発端は、韓国の有力紙、朝鮮日報の報道だ。9日、中国駐在の韓国大使館関係者の言葉を引用し「『金総書記が先月22日に倒れた』という情報を入手」「中国の医師5人が最近、訪朝した」などと北京発で伝えた。
同日、平壌で建国60周年記念の閲兵式が開かれ、これに金総書記が出席するかが注目された。閲兵式のひな壇に総書記の姿はなく、欧米メディアは一斉に「金総書記が脳卒中や心臓病などで突然倒れた可能性がある」などと報じた。
だが各国政府は「具体的な内容はコメントしない」(町村信孝官房長官)、「確認できない。コメントする立場にない」(米国務省のマコーマック報道官)などと確認を避け、政府間などで情報交換を続けている。
金総書記の動静報道は8月14日を最後に途絶えたが、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、金総書記がシリア大統領に祝電を送ったと報じた。
北京の外交関係者は「北朝鮮の上層部に異変があるのは間違いない」と指摘する一方で「情報の多くが根拠に乏しく、現時点で金総書記本人の健康問題と結びつけるのは無理がある」と慎重な見方を示した。



