受動喫煙防止条例

受動喫煙防止条例、骨子案は分煙や喫煙所設置も
(読売)

松沢知事が9日に公表した「受動喫煙防止条例」骨子案では、喫煙所の設置や分煙を認めた。不特定多数の人が利用する「公共的施設」の屋内は全面禁煙とする当初の方針に比べ、規制対象となる飲食店や旅館などの業者に配慮した形だ。だが、禁煙を推進する立場の医師らからは不満の声も漏れた。

 「健康被害を防止するには全面禁煙が望ましいが、厳しい義務を課そうとしても、条例が成立しなければ受動喫煙防止が進まない」。松沢知事は記者会見で、方針変更の理由を語った。

 松沢知事は今年4月、娯楽施設も含め、不特定多数が集まる施設内を全面禁煙にする条例を制定する方針を明らかにした。飲食店や旅館の業界団体のほか、パチンコ店なども店を訪れて経営者らと意見交換してみると、経営への悪影響を不安視する意見がほとんどだった。県議会からも「全面禁煙は過度の規制だ」との意見が出て、全面禁煙を打ち出した条例成立は不透明だった。

 松沢知事は「現場の理解が得られ、受動喫煙防止も進む接点として今回の骨子案を考えた」と語った。ただ、「条例施行から5年以内に必要な見直しを行う」との規定も盛り込んでおり、今後も全面禁煙を目指す方針だ。

 同日夜に行われた有識者による条例の検討委員会でも「まずは条例をつくることが大切」と了承された。

 会長の津金昌一郎・国立がんセンター部長は、骨子案が分煙や喫煙所を認めていることについて、「国際的に、こういう(緩い)法規制をしているところはあまりない。完全に周回遅れ」と指摘。公衆衛生学が専門の中田ゆり・産業医科大研究員も「本当に残念。受動喫煙に安全なレベルはない。他県の今までと同じ対策になってしまう」と危機感をあらわにした。

 一方、レストランや居酒屋のチェーンなどが加盟する日本フードサービス協会(東京都)の中井尚・事務局長は「現実的な案になった」と評価。県旅館生活衛生同業組合(箱根町)の若林伸二事務局長は、「一律に禁煙になると、客足への影響が心配だった。要望が通った」と話した。

 県はさらに、骨子案に対する意見を聞くため、市町村や事業者への説明会を開催し、県民からの2回目の意見募集も行ったうえで、今年度中の条例成立を目指す。





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