「振り込め通話」再現CD
(読売)
後を絶たない振り込め詐欺の被害を防ごうと、県警は、実際に県内で起きた振り込め詐欺事件を基に、犯人と被害者との電話でのやり取りを再現したCDを作成した。県内の防犯協会などに配布し、啓発活動などに活用してもらう。音声は5日から、県警のホームページでも流し始めた。
CDに収録されているのは、振り込め詐欺や架空請求詐欺、融資保証金名目詐欺や還付金詐欺で交わされた通話内容を再現したもの。
例えば振り込め詐欺では、まず息子を装った男から電話がかかり、「もしもしお母さん、ごめんね」と一言話すといったん電話が切れる。被害者が不安にかられていると、直後に息子の会社の上司を名乗る男から「お母さんにだけお教えしますが、息子さんが使い込みをしました」と電話がかかってくる。
犯人はすぐには金の要求などは持ち出さず、「困ったな」と当惑したそぶりを見せ、被害者の側から「何かしなければ」という気持ちにさせる。「どうしたらよいでしょうか」と被害者の言葉を引き出すと、初めて現金を振り込むよう指示する――といった具合だ。
過去に県内で実際にあった事件で被害者から聞き取った内容を土台に、県警が台本を作成。ラジオ局に協力してもらい、劇団員やアナウンサーらが犯人や被害者の役を務め、本物の電話での会話のように吹き込んだ。県警職員が銀行の本物の現金自動預け払い機(ATM)に出向いて録音した機械音を効果音として使うなど、リアルな仕上がりになっている。
また、やり取りの再現だけでなく、「家族に相談してみる」「勤務先や以前の携帯番号にかけて本人に連絡する」など、詐欺のタイプに応じた防犯対策も収めている。
県警はCDを500枚作成し、各地区の防犯協会などに配布した。各署でも貸し出しており、病院の待合室で流してもらうなど、様々な方法で活用してもらいたいと県警は期待している。
県警生活安全企画課によると、今年県内で発生した振り込め詐欺被害は8月末までで345件、被害総額は約4億8900万円に達し、それぞれ前年同時期を72件、約5300万円上回っている。



